映画「ピンクとグレー」感想。これが書けるって、ジャニーズは闇が深いと思った。(ネタバレなし)

今、話題の人。NEWSの加藤シゲアキくん。

週末は1本の映画をTSUTAYAで借りて観るようにしている。

 

それでも私はあなたを応援するよ。
という意味を込めて、今回はこの映画を選んだ。

 

 

 

 

 

この映画は
才能があって、器用に俳優として売れていくゴッチと
対照的に不器用にエキストラ役ばかりをしているリバちゃん
の2人について描かれている。

多分、加藤くんはどっちも自分なんだと思う。

デビューして活躍してるのだからゴッチにもなれるし、
以前NEWSとして一緒だった山Pとかと比べちゃうとリバちゃんでもあると思うし。

だからこれが書けたんだと思う。
ジャニーズという男ばかりの大きなグループに属しているから、
男同士のたくさんの嫉妬や劣等感、そして優越感を知っているのだと思う。

やっぱりジャニーズは闇が深いと思ってしまった。

 

そして、主演を演じている中島裕翔くんも
同じHey!Say!JUMPの山田涼介くんとかと比べてしまうのだろうと思うし、
菅田将暉に勝てない演技力が、この映画のテーマをそのものを語っているかのようだった。

 

「羨ましい」と思わせるものは、人の背中についているんだと思う。
自分の背中はいつまでたっても見えないから、「自分には何もないんじゃないだろうか」と自己嫌悪に陥って、「他人を羨ましい」という気持ちだけが、なかなか止まない雪みたいに静かに積もっていって、「自分はダメだ」と思ってしまう。
だから、みんな「自分」を諦めて、「大人」という名の嘘の塊で身を守る。嘘の笑顔で誰かの隣に座り、嘘の言葉で居場所を作り出す。そこには本当の自分なんかいないかもしれないのに、これでいいのだと自分の気持ちに魔法をかける。
でも、どんなに弱い自分を見つけてしまっても、どんなに嘘で守ろうとしても、人は自分の可能性に夢を見ている。嘘偽りのない本当の自分で、どこまでだって行けるのだと夢見てる。それは夢なんかじゃなくて、背中についているはずの見えない翼は、きっとどこにだって連れてってくれるはずなんだ。
リバちゃんを見て、そんなことを考えた。

 

 

芸能界の闇と言える場所が登場するのだが、
「やっぱりこのような場所が本当にあるのか」と考えるより、
「これをなんで書こうと思ったのか」を考えることの方が私には怖かった。
芸能界とうんと離れた場所にいる私には、芸能界って汚れているイメージが、やっぱりあって、加藤くんはそういうイメージを「その通りだよ」って言ってるわけで、それをあんなにも真っ直ぐに伝えられることが怖い。「助けて」と聞こえる気がして怖い。私はそこから誰も助けてあげられないことにまた絶望するしかない。

 

 

アイドルたちのキラキラした笑顔の奥で、その瞳は「もう汚いものなんか見たくない助けて」「どうか本当の僕を必要だと言ってくれ」と泣いているのではないかと、悲しくなって、映画見終わった後、何時間も呆然としてしまった。

 

 

 

ピンクとグレー (角川文庫)

ピンクとグレー (角川文庫)

 

 

今度、小説も読んでみたい。